Skip to main content.

日本のマネーストックとベースマネーの関係

日本のマネーストックとベースマネーの関係を見ていると、ここのところの日銀への圧力でベースマネーは増えているものの、それが貨幣乗数を低下させていることがわかる。つまり、日銀が出した金以上に、市場にお金が増えないのです。

http://www.boj.or.jp/statistics/money/ms/index.htm/

http://www.boj.or.jp/statistics/boj/other/mb/index.htm/

ベースマネーが 2012年3月に112兆4,618億円から、2012年4月に121兆5,003億円と約9兆円増えているにも関わらず、マネーストックはM3(現金+郵貯や漁協も含めた全金融機関の預金残高、普通預金や定期預金等)で1,113兆7千億円から1,122兆8千億円へと、やはり9兆1千億円しか増えていません。

つまり、日銀券と貨幣の流通量に加えて日銀当座預金残高という日銀が直接コントロール出来るベースマネーを増やした分だけしか市中のお金も増えていないのです。

ベースマネーとマネーストックとの比率を貨幣乗数と言いますが、これが約10倍になっているわけですが、なぜこうなるかというと日銀がベースマネーを増やすと、銀行はそれを企業等に貸し付けます。貸し付けたお金はそのまま銀行に預けられるので、またそれを貸します。この自転車操業的な同じお金を何度も貸し出す行為を「信用創造」といいます。なんだか詐欺みたいな話しですが。

しかし、現状は日銀がお金を増やしても市中にお金が回らない状況になっているという事が、このマネタリーベースとマネーストックの関係からわかります。やはり、銀行は安全確実な貸出先がないので、お金があっても貸せない状態にあると見た方がいいのだと思います。

ところで、アメリカの貨幣乗数は危機的な状態にあります。リーマンショック以前は下がっても8倍あたりにあったものが、断崖絶壁のように急降下して4倍くらいになってしまっています。FRBはこれをベースマネーを倍にするという超金融緩和を行っているので、かろうじてマネーストックの急激な減少を食い止めているのです。

http://www.monexfx.co.jp/mailmagazine/pdf/mail_vol343-2.pdf

同時期の日本のグラフと対比すると、そのひどさがよくわかります。

http://www.monexfx.co.jp/mailmagazine/pdf/mail_vol343-1.pdf

グラフではM2を使っていますが、M2を指標にすると定期預金等が入ってこないので、アメリカとの比較ではこちらの方がいいということで採用されているのかと思いますが、日本のM2にはゆうちょ銀行が入ってきません。この辺は、ちょっと問題を感じます。(2012年3月のM2=809兆4千億円、4月は817兆7千億円と8兆3千億円の増加)

なんでもマクロ金融政策で解決するような論調を耳にしますが、やらないよりはやった方がいいとは思いますが、万能のうちでの小槌では絶対にありません。そんなものがあれば、みんなすぐにやっているはずなんです。景気が悪いのは日銀が悪いからという論調の影で、本当に必要な事が見過ごされているんじゃないかなと思う今日この頃です。 ^ TOP

Posted on 2012年05月24日21:57tomneko さんによって投稿されました-

Comments

コメント募集中
このアイテムは閲覧専用です。コメントの投稿、投票はできません。