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「欧米住宅物語ー人は住むためにいかに闘っているかー」(新潮選書 早川和男著)

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イギリスで発生した暴動の背景にある社会保障制度の矛盾などについて。現地にいる方の詳細な指摘。カウンシルフラットやシングルマザー、生活手当などの問題について。 / “イギリス暴動の裏にある鬱屈と絶望について” http://t.co/6TBAWjJh
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この件について、早川和男先生の「欧米住宅物語ー人は住むためにいかに闘っているかー」をぱらぱらと読み返してみた。劣悪な住環境と家賃の高騰に対して1915年グラスゴウ家賃ストライキが勃発、市議会議員5人を含む2万世帯以上が一斉に家賃の支払い拒否を行った。家主は高利貸しからの資金で住宅を建ていていたので戦争による金利上昇とストライキに挟まれて進退窮まっていた。国会で「家賃・住宅融資利子制限法」が可決され、家賃統制が始まった。しかし、これは住宅の供給不足を招いた。1919年「都市・農村計画法」によって、労働者への住宅供給を地方自治体に委任し、政府が必要な経費を支出することにした。公共住宅政策誕生の瞬間であった。

第二次大戦後からサッチャーまで。ナチスによる破壊、供給不足、軍人引き揚げによる住宅不足を、毎年建設される住宅の7割〜8割を公共賃貸住宅で充足。半数以上は3LDK以上の広さ。サッチャー政権登場の1979年時点でも毎年40%〜45%が公共住宅。戦後から78年に建設された住宅では、総住宅戸数の58.6%が公共賃貸住宅。1978年時点でのストックの32%が公共賃貸住宅だった。サッチャー政権で建設を削減し、売却を進めた結果1990年には住宅ストックの26%まで公共賃貸住宅の比率は下がった。この間に、ホームレスが急増し、イギリス国内の住宅事情は極端に悪化した。

早川先生の本は、ここで終わっているんだけど、暴動の裏にあるシティハウス(これが公共賃貸住宅のことなんだろう)の問題と併せて考えると、ブレア政権になって住宅政策は従来の路線に揺り戻したのだろう。ホームレスは激減し、しないで見かけることはなくなったのかもしれない。しかし、そこにはまた新たな問題が発生したのだろう。やはり、正解はないのだなぁと思わざるをえないのだけど、ここからイギリスがどういう方向に舵を切るのか切らないのか、折を見てウォッチしていきたい。

参考図書:『欧米住宅物語ー人は住むためにいかに闘っているかー』(新潮選書 早川和男著) http://amzn.to/JSElCg

欧米住宅物語―人は住むためにいかに闘っているか (新潮選書)
www.amazon.co.jp
Amazon.co.jp: 欧米住宅物語―人は住むためにいかに闘っているか (新潮選書): 早川 和男: 本 ^ TOP

Posted on 2012年05月08日17:34tomneko さんによって投稿されました-

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